〜〜♪〜♪♪〜
音が、聴こえる。
暑い夏の日。
昇降口を出て、帰ろうと思ったら、トランペットの軽快な音が聴こえてきた。
自然と音の方へ向かう私の足。
音の根源は「火原和樹」。
この暑い中、暑さを感じさせず、しかもそんな暑さを吹っ飛ばすような爽やかさで、トランペットを吹く彼。
彼は、私の恋人。
そんな彼の邪魔をしないように遠目から見つめていると、ふと目があった。
そしてこちらへ駆け寄ってくる。
「あれ、いるなら言ってよー。」
「ごめんね?邪魔、したくなくて。」
「邪魔なんかじゃないよ!むしろいてくれた方が嬉しい。」
そう言って、爽やかな笑顔を私に向ける彼。
そんな彼の笑顔が大好きなの。
「あ、そうだ。せっかくだし、合わせない?今度のアンサンブルの曲。」
「うん、そうだね!」
夏の音色に合わせて
(私たちのまわりには)
(夏の音が集まってきていた。)
110711
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