起死回生
教室に入ると、廉造が死んでいた。(正しくは死にそうだった)
「ちょ、廉造?」
「んー…?…あ…名前ちゃんや…委員会終わったん?お疲れさん…」
私の方を見て廉造はいかにも死にそうな声で声をかけてきた。
「どうしたの?」
「ん…担任にな、名前ちゃんが委員会いってからの、1時間くらい話に付き合わされとったんよ…」
「あー…お疲れ…」
「名前ちゃん癒してぇな」
廉造が座ってる席まで歩み寄れば、座ったまま私の腰をぎゅっと抱き締めてきた。
「私、返事してないけど」
「えげつない」
「冗談よ。」
そのまま頭をぽんぽん撫でてやれば、彼は気持ち良さそうに目を細めた。
(かわいい…これが母性と言うやつか…?)
そんな彼がなんだか可愛く見えてきて、頬を両手で包んで顔をあげさせて、ちゅっと軽く口にキスを落としてみた。
そしたらさっきまで死にそうだったのはどこかに行ったのか、ばっと起き上がってさっきよりも強く抱き締めてきた。
111013
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