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いわし雲



「あ、うろこ雲。」
「うろこぐも?」
「ほら、あそこ」

空に広がるうろこ雲を指差せば、みんなが眉を寄せた。

「え、あれいわし雲言うんとちゃうか?」
「いわしぐも?んーん、私のとこはうろこ雲って言ってた!」
「…俺らんとこはさば雲だったよな?雪男。」
「…3人ともバカですか?」
「「「なっ!?」」」

廉造と燐と言い合っていたら、雪男くんがまとめてバカ扱いしてきた。ひどい!

「あの雲は、正式には絹積雲といって、氷晶の集まりで、普通5〜13キロの高さに現れる雲のことです。」
「俗称でうろこ雲、いわし雲、さば雲、まだら雲て言われとるんや。」
「へー…さすが雪男くんと竜士くんだね!物知り!」

拍手をすれば、二人とも照れたように頬を染めた。

「あ、顔赤い!かーわいー」
「お、男に可愛えなんて言葉、言うんやない!」
「可愛いのは名前さんでしょ!」
「わ、褒めたって何も出ないよ?」






111012


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テーマ「人外ファンタジー」
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