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※奥村雪男サイドでお送りします。


紳士協定


今僕は、祓魔塾のある空き部屋に、兄さんと勝呂くん、三輪くんと4人で丸くなって座っている。

「奥村先生、いきなり呼び出してどうしたんです?」
「いや…今日は皆さんに提案したいことがありまして…」
「なんだよ雪男、勿体ぶらずに言えよ」

真剣な顔をしている(はずの)僕をみんながじっと見つめる。
僕は一度唾を飲み込み、みんなに向き合った。

「僕は、名前さんが好きでした。…それは皆さんも、ですよね?」
「!…まぁ…」
「でも、今や名前さんは志摩くんの彼女になってしまいました。」
「…そうだな」
「そこで先ほど言った通り、提案です。名前さんはきっと、これからもっと志摩くんのことを好きになっていくと思うんです。…だから僕たちは、そんな名前さんを応援しつつ、以前よりも名前さんに優しく、真摯な態度で接しませんか?」

僕が一通り言い終えれば、3人ともなにかを考え込んでしまった。
沈黙が続き、しばらくしてその沈黙は、三輪くんによって破られた。

「僕は、ええと思います。」
「…俺も。」
「ま、志摩のためになる、っつーのは癪だけど、良いと思うぜ」
「では、そういうことで。」







111007


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