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証明



「どうしよう雪男くん。ここの証明がどうしても合わないんだけど」
「あ、僕も今そこやってて、計算が合わないんですよ。」
「あ、ぼくもです…。」
「竜士くんは?」
「俺は出来たで。」
「「え!?」」
ただいま、数学で出た宿題をみんなで解いています。

「なんで合わないのー?」
「見してみぃ。……あぁ、ここの式、ここは…」
私たちを見かねた竜士くんが教えにきてくれた。
そして、視界の端には呆然とただ私たちを見ている志摩と燐の姿が。
私は、竜士くんに一言断りを入れて二人ののもとへ行く。

「なんか…あいつら何語喋ってんだ?」
「確実に日本語やないね。」
「ちょっと二人も宿題やりなさいよ!」
「だってわからんもん」
「教えてあげるから!」
「「じゃあやる」」
「なんなのよあんたら…」

二人を引き連れ戻れば、雪男くんと竜士くんと子猫丸は心底嫌そうな顔をした。

「なんやのその顔!」
「いや、面倒なのが来おったな、と…」
「兄さんたちいくら教えても覚えないんだもん。嫌にもなるよ。」
「お前らひでぇ!」
「まぁまぁ、そんなこと言わないで、教えてあげよ?」

私がそういえば、三人ともグッと言葉を詰まらせ、咳払いをした。

「…しゃーない、教えたる。」
「今回だけですよ、次はあらへんからね」
「ほら、早くこっち来て」
「「うわああああ名前様神様仏様ー!!」」
「うざい」

結局みんなで教えてあげることにしたのだが、宿題を全て終えるまで、二時間もかかってしまった。







110930


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テーマ「人外ファンタジー」
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