彼岸花
今日はおじいちゃんの命日。
おばあちゃんに加え、お父さんとお母さん、それにみんなも来てくれた。
「おじいちゃん、久しぶり。ホントは毎日でも来たいんだけどさ…。」
おじいちゃんのお墓の前で、手を合わせておじいちゃんに語りかける。
「今年はお友達も連れてきたよ。みんな祓魔塾のお友達なの。…元聖騎士のおじいちゃんにも、会わせたかったなぁ…」
「名前、あの人はちゃんと見てるよ。名前のことも、この子達のことも。」
「おばあちゃん…」
私はお父さんとお母さんと一緒にお墓の掃除を始めることにした。
いつもは騒々しいみんなも黙って手伝ってくれた。
「みんなが手伝ってくれたから、とても綺麗になったわよ、お父さん。」
「よかったなぁ、父さん。とっても綺麗だよ。」
お父さんとお母さんは少し寂しそうにお墓を見つめた。私もしばらく、お墓をじっと見つめていた。
おじいちゃんのお墓参りが済んだ。
みんな黙ったまま、駅までの道を歩く。
途中の畦道には彼岸花が咲いていて、なんだか物悲しい雰囲気を書き立てていた。
110919
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