志摩くんと付き合って1ヶ月くらいたった。
最近は一緒に登下校したり、一緒にお昼ごはん食べたり、休日はデートしたりなど、志摩くんと一緒にいる時間が増えた。
今日もまた屋上へ足を運ぶ。
扉を開けて、貯水槽の上へ登れば、大好きな彼のピンク色の髪の毛が、秋の朝の涼しい風で、ゆらゆら揺れていた。
「お、名前ちゃんや〜。名前ちゃんも朝からサボり?」
「ううん、志摩くん教室にいなかったから、ここかなって…」
「俺に会い来てくれたん?」
「うん…志摩くんと一緒にいたかったから…」
「なんや嬉しいなぁ。…俺も名前ちゃんと一緒にいたい。…こっちおいで?」
志摩くんは私に手招きをしてから、腕を広げてくれた。
私は恥ずかしく思いながらも、志摩くんの元へ行き、ぎゅっと抱きつく。
そしたら、彼は私の背中へゆっくりと手を回し、優しく抱き締めてくれる。
こんな時間が、本当に大好きだ。
「志摩くん、今日は、紅茶作ってきたよ。」
そう言って私は、持ってきていた水筒を掲げる。志摩くんは優しく微笑んで、またぎゅっと抱き締めた。
「おおきに。」
「んーん。一緒に飲もう?」
「おん。」
作ったばかりでまだ温かい紅茶を注いでる間、志摩くんは私を後ろから大事そうにぎゅぅと抱き締めてくれていた。
「はい、どうぞ。」
「おおきに、……ん、美味い。」
「良かった。」
志摩くんは紅茶を一口飲んで、ふわりと微笑み、また紅茶を口に運ぶ。
「名前ちゃん、俺、君のことめっちゃ好きみたいやわ。」
「…私も、志摩くんのこと、すごく好き。」
「…へへ、嬉しい。」
志摩くんは、ぎゅっと強く、でも優しく、私が苦しくないように、抱き締めていた。
そんな私は志摩くんの中にすっぽりと埋まり、少し体重を預けながら、彼の温もりを背中から感じていた。
ゆっくり、ゆったり流れる時間
(私は、大好きな彼とともに、)
(そんな時間に身をまかせていた。)
終わった。
廉造とサボタージュ、これで一応完結です。
110816
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