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私と志摩くんの髪は風にさらわれ、さらさら揺れていた。
「…きもちいね、」
「…おん。」



日に日に志摩くんへの思いが強くなっていく中で、どうしても想いを伝えたくなってしまうときがある。
でも、臆病な私はこの関係を壊したくなくて、一歩を踏み出せないでいる。


そんなとき、彼が口を開いた。

「なぁ、名前ちゃん。」
「…なに?」
「…デートでも、せぇへんか?」
「え…?」

突然の言葉に私が志摩くんの方へ向けば、彼はとても真剣な表情をしていた。
だが、次の瞬間頬が緩み、優しく微笑んだ。

「今日の放課後、ここで…俺、待ってるからもしデートしとうなったら来て。」

その言葉に私は返事をせずに、ただ志摩くんを見つめていた。




時間はあっという間に過ぎ、放課後が訪れた。
デートに行くべきか。でも、こんなにたくさん会ったら、志摩くんへの気持ちが抑えられなくなりそうで、この関係を壊してしまいそうで、怖かった。

それでも、体は正直なのか、つい屋上の扉の前まで来てしまった。
ここまで来たら、覚悟を決めるしかない。
そう意気込んで、私は屋上の扉を開けた。


「あ……名前ちゃん、待っとったで。」
「志摩くん…」

志摩くんは既に屋上に来ていた。彼を見ただけで、私の鼓動はどんどん早くなる。

「あんな、俺名前ちゃんに伝えたいことがあるんや。」
「伝えたいこと…?」
「聞いてくれるか?」

私はこくん、と頷いた。
そして彼はゆっくりと口を開いた。

「あんな、俺最初に名前ちゃんに会うたとき、君ともっと仲ようしたい、話したいって思ったんよ。」
「…え?」
「ほんで、今までずっと、名前ちゃんばっかり見てきたんや。」
「…え、えぇっ?」
「…名前ちゃんが好きです、付き合うてください。」
「ええええっ!?」

私にとっては、予想外の言葉で、私は驚きを隠せず、彼に何度も聞き返してしまった。
「え、うそ…?」
「嘘でこないなこと言えるわけないやろ!」
「ほ、ほんとにっ?」
「ほんまに。名前ちゃんのこと好きなんや。」
「志摩くん……私も、志摩くんが好き。」

好きなひとに本気で好きって言われて、嬉しくないわけがない。
私は多分頬を赤くしながら、彼をジッと見つめた。
「…その顔、反則や。」そう言って志摩くんは私をぎゅっと抱き締めた。


彼との日々は屋上から始まり、そしてまた新たな日々が、屋上で始まった。



僕ら以外は不可侵なのです
(し、志摩くんっ、恥ずかしいよっ)
(もーちょいだけ、)
(う…わかった…)
(…名前ちゃん、かわええ。)





110810


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