メイン | ナノ

志摩くんを好きになり始めている。


色々と考えてみた。その結果、ここにたどり着いた。
多分、まだ淡いけれど、志摩くんに恋心を抱き始めているのは間違いないだろう。
事実、何をするにしても、志摩くんの顔が脳内にちらつく。

(志摩くん、今日もサボるのかな…)

そんなことを考えながら学校への道を歩いていると、目の前にピンクの頭を楽しそうに揺らしながら歩いている志摩くんが飛び込んできた。
音楽を聴いているのだろうか。

(あ、…いつも一緒にいる勝呂くんと三輪くんがいない…)

私はこれはチャンスだと思った。
(神様、少しだけ私に勇気をください。)
勇気を振り絞って、志摩くんの元まで駆け寄り、彼の服の裾をくいっと引っ張った。

「ん?」
「志摩くん。」
「おー、名前ちゃんや。おはようさん。」

彼はすぐに気付いて、ヘッドホンを外しながら振り向いた。
そして私だとわかり、優しく微笑んでくれた。

「お、おはよっ」
「なんや屋上以外で話すの、初めてやない?」
「…そうだね。嫌だった?」
「んーん、嫌なわけあらへん。むしろ嬉しいわ〜。」
「え?なんで嬉しいの?」

私は疑問に思い、首を傾げる。
すると、彼はふわりと微笑んだ。

「だって、名前ちゃんあそこ以外やと話しかけてくれへんのやもん。」
「え、あ、いやっ…め、迷惑かなって思って…」
「やくたいなわけあらへんよ!いつやて声かけてぇな。」
「…ふふ、そっか。わかった、今度からは声かけるよ。」

その後、私と志摩くんは一緒に学校へ向かった。



そして、また気付いたら屋上へ向かっているのだ。

「志摩くーん、いる?」
「おん。いつものとこにおるで。」
屋上の扉を開け、軽く問いかけてみると頭上から声が聞こえてきた。

「名前ちゃん、お昼寝せぇへん?」
「お昼寝?」
「今日はぬくいし、お昼寝気持ちええ思うねん。」
「…そうだね、じゃあ私もお昼寝しようかな!」

そう返事をすると志摩くんはごろんと寝転がり、隣をぽんぽんと私を促すように叩いた。

「ここおいで。」
「え?…あ、うん。」

私は少し恥ずかしかったけど、志摩くんの隣に寝そべった。
そしたら志摩くんは満足したように笑って、肩が触れ合いそうなくらい近くまで寄ってきた。
そして、私の手を握った。

「え!?し、志摩くんっ?」
「…こうしてちゃ、あかん?」
「いや、別に良いんだけど…。」
「なんか、名前ちゃんと手繋ぎたくなった。」
「…そっか。…志摩くんの手、温かい。」
「名前ちゃんの手も、ぬくい。」

そうして私たちは眠りの世界へと引きずり込まれた。



伝わる温度が心地よかったりするの
(私たちが起きたのは昼休みになってからだった。)
(目を覚ました時、私は志摩くんに抱き締められるような体勢で寝ていた。)
(し、志摩くんっ、起きて!)
(んー…名前ちゃんぬくいなぁ…もうちょいだけ、このまま…)
(えっ、えええっ)





110731


[*前] | [次#]

しおりを挟む






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -