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「あ。」

青い空。白い雲。
絶好のサボり日和だと思い、屋上へと続く扉を開け放ち、貯水槽の上へのぼろうとすると、そこにはピンクの髪の毛を気持ち良さそうに揺らしながら寝ている先客が。


(…確か同じクラスの…志摩廉造、だっけ…頭ピンクだし、入学早々騒がしかったから、記憶に焼き付いてんだよね。)

私はとりあえずのぼり、志摩くんの横にちょこんと正座をしてみた。
そして、無意識のうちに彼の頭を撫でていた。

(…って、何してんだ。私。)

すると、タイミングよく、志摩くんのタレ目がゆっくりと眠たそうに開いた。


「ん…あれ…?」

彼は私を寝ぼけ眼で見つめている。
どうして良いか分からず、私も彼を見つめ返していると、彼は寝起きだからなのか、少し子供っぽく微笑んだ。

「苗字さんや…こんなとこで何してはるん?」
「あ、いや…ちょっとサボろうかなと思って。」
「ほーか。まぁ絶好のサボり日和やもんね、俺もサボり。ほな、ここで会ったのもなんかの縁や。一緒にサボろか!」

そう言って彼は優しく微笑んだ。
これが私と彼の最初の会話だった。



「あ。」
「お。」

今日もまた会えるかも、と少し期待しながら屋上に来てみたら、期待通り、彼がいた。



ほら、やっぱり今日も君がいる
(あれ、今日も来たんや。待っとったで〜。)
(いや、志摩くんいるかなって思って…)
(へ?なんやそれ、嬉しいわ〜。)
(私も、待っててくれて、嬉しい。)





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きっと廉造はサボり魔。←


110729


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