メイン | ナノ



残暑


9月3日、台風12号が日本に上陸しました、とニュースキャスターが報じているのが遠くに聞こえる。
そして近くでは、私の名前を呼ぶ声。

「…ちゃん、名前ちゃん…」
「ん…?」

重たい目蓋をゆっくりと開けると、ふわふわのピンク色と、黄色の鶏冠と、坊主頭が。

「あ、起きた。」
「まだぬくくても、こんなとこで寝はったら、風邪拗らせますよ。」
「寝るなら中で寝ぇ。」
「3人とも…おはよー」

寝ぼけながらにこっと笑って挨拶をすれば、3人とも少しだけ頬を染めていた。


「3人ともどしたの?」
「ただ遊びに来ただけやー。名前ちゃんの寝顔、可愛かったで。」
「なっ…か、可愛いとか言うな!恥ずかしい…」
「でも、幸せそうに寝てはりましたよ。」
「幸せな夢でも見とったんとちゃうか?」
「んー…よく覚えてないけど、そーかも。」

私は伸びをして、空を見上げた。
今日の空は台風のせいで雲の多い。

「なんだか、じめじめしてて蒸し暑い。台風だって言うのに…」
「残暑やから、まだ暑さ残っとるんやろか。」
「どうせ曇るなら、涼しくあってほしいですね。」
「でも台風でも、ここらへんは雨あんま降らんよね。」
「雷が鳴らないから、それは嬉しいけど、なんだか落ち着かない天気だよね。」


私たちはそんな会話をしながら、しばらく4人で空を見上げていた。





110903


[*前] | [次#]

しおりを挟む






「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -