夏の終わり
昨日、あの5人は私の家に泊まった。
友達みんなでリビングで雑魚寝なんていつぶりだろう、なんて考えながら私は眠りについた。
そして今は夕方。日が沈みかけた頃。
私たちは縁側に座り、残暑の生ぬるい風を浴びていた。
「夏休み、終わるね。」
「せやなぁ…明日から学校やなんて信じたない!」
「まぁでも、やっぱり学校ねえとみんなと会えねえし、楽しみっちゃあ楽しみだよな!」
「兄さん、一応言っておくけど明後日英語の小テストがあるから、少しくらい勉強しておきなよ?」
「えええ…」
「なんならまた教えたげましょうか?奥村くんと志摩さん。」
「せや、俺ら教えたるで?」
「「いや、遠慮しておきます。」」
半月くらい前まで風も暑かったのが、今では涼しくなり、夏の終わりを体感した。
その感覚に、私たちは少なからず寂しさを覚えた。
「今年の夏ももう終わりなんだね。なんだか寂しい気分になるね。」
「せやな。やけど、俺らはまだまだ一緒にいるんだし、寂しなることあらへんで。」
「そうですよ。僕たちがいるんですから。」
「安心しろ、名前。」
私がぱっと顔をあげると、みんなが優しく微笑んでいた。
その笑顔を見るだけで、なんだか心地よい気持ちになった。
「…うん、そうだよね。へへ、ありがとう!」
110831
[*前] | [次#]
しおりを挟む
←