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負け組


「だああああああっ!終わんねええええええええええっ!!」
「絶対夏休み中に終わる自身あらへん!」

相変わらず負け組の二人は苦悩しながら勉強していた。
それを見かねた私たちは、燐たちのお手伝いをすることにした。

「仕方ないなぁ…教えてあげる。今どこで躓いてる?」
「言っておくけど、授業と同じようにきびきび行くから、覚悟してね、二人とも。」
「僕かて厳しく行きますからね。」
「ちゃんとやらな今日の晩飯抜きやからな。」
「…みんな神か!」
「でも晩飯抜きは勘弁してください〜。」

どこまでやったか聞けば、昨日で3割くらいは終わったらしい。

「なんだ、1日で3割終わったんだ。すごいじゃないか兄さん。」
「お、俺はやれば出来んだよ!」
「だったら最初から順序よく終わらせなさいよまったく。」
「ホンマですよ。毎年言うとるやないですか。早めに終わらせた方がええて。」
「せやけどやっぱり無理なんですよ〜。」
「無理なんやなくて、お前はやらんねやろ。」
「痛いとこ突きますな…。」

二人はぐちぐちと文句を言いながらも、少しずつ宿題を進めていった。




「ふええええあと半分もあんのかよ…」
「も、もう無理…」
「弱音吐くんやない!」
「ほら、諦めない!」
「手止めたらアカンですよ!」

有言実行というのはこのことだろう。
さっき言った通り3人はとても厳しかった。
私は、夕飯の準備のため席をはずしていた。


「みんな、ご飯出来たよー。今日はもう終わりで良いんじゃない?まだ日にちはあるんだし。」
「名前ちゃんは天使や〜っ」
「名前ーっ、恩にきるぜ!」
「まぁ、名前が言うならしゃーないわ。」

私がそう言えば、みんなわらわらと机に集まってきた。

「カレーか!うまそーだなっ!」
いっただっきまーす、とみんなが声を揃えて言い、カレーを口に運ぶ。

「うまい!」
「名前さんは料理上手なんですね。」
「へへへ、ありがとっ」
「名前ちゃんはええお嫁さんにならはるな〜」
「せやな。こんな上手いもん毎日食えたら幸せやな。」
「ちょっと、何言ってんの二人ともっ…恥ずかしいでしょ!馬鹿!」
「でも、ホンマに美味いですよ。」
「う…まぁ褒められてるから、悪い気はしないけど…」

なんだか褒められてばっかりで、恥ずかしくて私は俯いてしまう。

「名前ちゃん照れとる〜」
「うっさい馬鹿志摩!」
「うお、ホントに真っ赤だ。トマトみてぇ!」
「うううるさい!馬鹿燐!尻尾掴むぞ!!」
「えっ」
「尻尾は掴むと兄さんは喘ぎ出すよ。」
「いらんわ奥村のそんな情報。」
「てか雪男くんはなんでそんなこと知ってんの…」






110829


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