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目に毒


今日は出雲としえみと遊ぶ日だ。
私は待ち合わせの30分前くらいに着くように来たので、まだ誰も着いていなかった。
ベンチに腰をかけ、二人が来るのを待っていると、ぱたぱたと小走りな足音が聞こえた。
音に気付きそちらを向けば、しえみが走ってきているのが見えた。

「あ、名前ちゃん、もう来てたんだ。」
「うん。…しえみ、洋服だ。」
「あ…か、神木さんが…ショッピングで着物は疲れるからっと、この服貸してくれて…」
「そうだったんだ。うん、似合ってるよしえみ。」
「ありがとー」

しえみを隣に座るように促し、そのまま色々話していると、辺りにカツカツとヒールの音が響いた。

「名前。」
「あ、いず…って何その服!?」
「え、普通の服だけど…」
「胸、開きすぎじゃない?」
「そんなことないわよ。これが普通。」

出雲は胸元が結構がばっと開いた服に、短パンというなんとも男共の目に毒な格好をしていた。

「そんな服着たらまわりの男が見ちゃうよ!私変な奴に出雲のこと見られたくない!」

私は出雲を隠すように彼女に抱きつく。
しえみもそれに合わせて出雲にぎゅっと抱きついた。

「ちょっ、暑い!!…ったく、大丈夫よ。見てきたら睨み返せば良いだけだわ。」
「そうだけどー…」
「で、でもっ…神木さんかわいい!」
「えっ?」
「…ん、まぁかわいいからいいや!」
「ちょ…恥ずかしいから止めなさいよっ!」

私たちがかわいいと言うと、出雲は顔を真っ赤にしながら照れていた。
(やっぱ女の子、かわいい…)

私は最近男にばっか囲まれていたせいか、女の子といることに安らぎを感じていた。





110824


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