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ドライブ


「名前、ドライブ行きますよ☆」
今家の前にはピンクのド派手な車が止まっている。
窓から顔を出すのは、道化師の胡散臭い笑顔。

「だが断る。」
「名前に拒否権はありませんよ。」
「なんで!?」
「僕もいますよ〜」
そして後ろの窓からは可愛いアマイモンが。
「アマイモンがいるなら行こうかな!」
「なんでですか!?」
「メフィストうっさい。アマイモン、ドア開けてくれる?」
「わかりました。」
そう言ってアマイモンはドアを開けて手を差し出してくれる。
「へへ、ありがとー」
「名前のためならお安いご用です。」
「ふふ、嬉しい。」
「ちょっと!私を無視してイチャイチャしないでくださいよ!」
「うっさいメフィスト」
「そんな冷たい名前も好きです」
「キモい。」

気持ち悪いメフィストは放っておくことにした。


「どこ行くの?」
「行く宛は特に決めてません。」
「え?」
「正十字学園町を色々宛もなく走ってみようかと思いまして。」
「あそ。じゃあ私はアマイモンとお話でもしようかな。」
「それは嬉しいです。」

なんて言いながら私を押し倒すアマイモン。…ん?押し倒されちゃってる…?

「な、何してんのアマイモン。」
「押し倒してます。」
「なに!?おいアマイモン、何をしている。」
「ちょ、アマイモンくすぐったい!」

メフィストの抗議は無視して、アマイモンは私の首元に顔を埋めている。

「名前、良い匂いですね。」
「え、あ、ありがと。」
「悠長にお礼を言ってる場合じゃないでしょ名前!!」
「兄上煩いです。大丈夫ですよ、手は出しません。ただ名前を感じていたいだけです。」
「…アマイモン、かわいい」

そんなことを言われ、私はアマイモンが愛しく思えて、ぎゅっと抱き締める。
「なにもしないなら、そのままでいいよ」
「ありがとうございます。」
「こらー!私を無視してそんなことするんじゃない!離れなさい二人とも!」






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メフィストには少し冷たいくらいがヒロインの愛情。

110822


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