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外は強く打ち付けるような雨が降っていて、まだ遠くの方だが雷が鳴っている。
暑いくせに雨なんか降るから、じめじめして仕方がない。

父と母は、竜士くんのお母さんと下でお茶をしている。
そして、私は一人、部屋で布団に潜っていた。


「うっひゃぁい!?」
結構近場で、雷が鳴る。
私は小さい頃から雷が苦手なのだ。

布団に潜りながら、ふるふると体を震わせていると、部屋のドアが開く音がした。


「名前ちゃーん、トランプでもしよや……って、あれ?名前ちゃん?」
「あそこに潜ってんの、名前じゃねぇの?」
「どうしたんですか、名前さん?」
「雷、怖いんやないですか?」
「ちょお捲って見ようや。」

足音が近づき、べりっと布団が捲られる。
「やっ!!」
私は、びくっと体を一層震わせ、涙目でみんなを見つめた。
「みんなあ…」
「名前、雷ダメなのか?」
「うん…」

そう答えている間にも、雷は鳴り続けていて、光って音がする度に肩を震わせる。

「…名前、大丈夫や。俺らがそばにおったるから。」
「安心してください。」
「何かあっても俺たちが守ってやる!」
「せやせや、俺らで名前ちゃんを全力で守るさかい、名前ちゃんは安心しとってええで!」
「ほら、トランプ持って来ましたし、一緒にやりまひょ!」
「みんな…」

みんなの気遣いが嬉しくて、私はまだ涙目ながらも、みんなに笑顔を向けた。


雷なんか、くそくらえ。






110819


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