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麦わら帽子


「せっかく京都に来たんだし、買い物とかしたいんだけど、でも私京都のことわかんないから…教えてくれない?」

私は今、志摩と金造さんと竜士くんと子猫丸と蝮姉さんを前にして、頼みごとをしている。

「だったら私と行こ。」
「んー…蝮姉さんは柔造さんと一緒にいな?」
「なっ…なんで私が、柔造なんかとっ…!」
「素直じゃないなぁ…」

蝮姉さんは率先してくれたが、病み上がりな柔造さんとラブラブしててくれた方が(私が見てて楽しいから)良いと思ったので、お断りした。

「せやったら、俺ええ店知っとるから一緒に行くか?」
「あ、金兄ずるい!名前ちゃん、俺と行きまひょ?」

今度は志摩兄弟が二人して手をあげている。この二人だとうるさそうだよなぁ…

「俺らは今日は課題がまだ残っとるから今日中に片付けてまうわ。」
「志摩さんか金造さんと行ってきたらどうですか?」

竜士くんと子猫丸は課題があるという。二人とも真面目だなぁ…。

「んー、そうだね。じゃあそうしよっかな。」
「「っしゃぁ!!」」
「のわっ」

私の返事に志摩と金造さんはガッツポーズをし、二人揃って抱きついてきた。
(なんか今年の夏はよく抱きつかれるなあ…まぁ別に夏に限らずなんですけどね)

「でも、どっちと行くん?」
「んー…じゃあ、今日は金造さんと行く。」
「えーっ!?」
「で、明日志摩と行く。それならいいでしょ?」
「名前ちゃん…優しいなぁ!どっちともデートしてくれるなんて!」
「じゃあ名前、用意出来たら下に来てや。待っとるから。」
「はぁい。」

そうして私たちは、一旦わかれ、下で待ち合わせることにした。




「お待たせしました。」
「お…名前、麦わら帽子や!めっちゃかいらし!」
「そうですか…?」
「おん!名前は麦わら帽子がめっちゃ似合うとるなぁ。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ。ほな、行こか?」
「はいっ!」

金造さんは手を差し出してきたので、私は少し恥ずかしいと思いながらも、その手を取った。






110816


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