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「夏だ!」
「海だ!」
「女の子の水着や〜!」

私たちは海にやって来た。
ちなみに上から、私、燐、言わなくてもわかる通り志摩である。

「志摩、着替え覗かないでよ!」
「え〜」
「やめとけ、志摩。」

私は女の子一人なので、少し離れたところで着替える。
着替えが終わり、みんなのもとへ少し早足で駆け寄ると、みんなが私をジッと見ていた。

「…なに?」
「…名前ちゃん、かいらし!」
「名前、似合ってますね。可愛いです。」
「え?そうかな…二人とも、ありがと。」
「健気ですねっ!さすが私の名前だ☆」
「名前がいつお前のものになったんだメフィスト。ぶった切るぞ。」
「いくらフェレス興でも容赦しませんよ?」
「冗談ですよ冗談。」

まぁこいつらはほっておくとしよう。
海は二年ぶりくらいになるのか、久しぶりの海水浴にワクワクしている。
私はみんなに声をかけ、みんなより一足先に海へと走っていく。


少し高い波を受けていると、後ろからぎゅっとされる。
「名前。」
「えっ、金造さん!?」
「何抜け駆けしてるんですか?志摩金造。」
「アマイモン!」

一瞬のうちに海に浸かりながら、前にアマイモン、後ろに金造さんと、なんとも言えない二人にサンドされてしまった。
私が着ているのはビキニ。金造さんもアマイモンももちろん水着だ。
直接肌が触れ合う感覚に、自然と頬が熱くなる。

「ちょ、金兄とアマイモンなにしとん!羨ましい!」
「君の腕、折っちゃいますよ?」
「すんまへん。」
「さぁ、志摩金造。その腕を話してください。」
「いやや。アマイモンこそ離れぇ。」
「嫌です。」
「いや、えと、私の意見は無視ですか?」「名前に拒否権はありません。」
「えええ。」

(なんなのこの人たち…。)
私はとりあえず離れてほしくて、雪男くんや竜士くんがいる方へ、助けの視線を送った。

「…金造。名前が困っとる。離してやり。」
「…しゃぁないわ。」
「アマイモンも、名前さんから離れてあげてください。」
「…嫌です。」
「アマイモン、お仕置きされたいですか?」
「わかりました。」

二人がやっと離れる。
私は熱くなった頬を冷ますように、顔の前で手をぱたぱたと振る。

「まったく…お前ら名前を困らせんなよな!」
「そうですよ。金造さんもアマイモンも苗字さんにやくたいなことしたらアカンですよ。」
「「はーい…。」」

金造さんとアマイモンは少しは反省したようだ。
反省してくれたならそれでいい。



「で、金造さんとアマイモンが叱られたばっかなのに志摩はどこ触ってんの?」
「名前ちゃんの腰。」
「ぶっ飛ばすよ?」
「そんな物騒なこと言わんといてぇな。」

この後志摩は、みんなにこっぴどく叱られましたとさ。ちゃんちゃん。





110814


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