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熱中症


「熱中症!?大丈夫ですか、柔造さん」
「おん、大丈夫や。」
「まったく…柔造、無理しよるからや。」
「すんまへん、坊。迷惑かけて…」
「いや、ええよ。お前は休め。」
「おおきに、坊。」


柔造さんが任務後に熱中症で倒れたらしい。
聞いたときはびっくりした。

「柔兄は無理しすぎなんや。な、金兄。」
「おん、柔兄はアホや。いっつも自分の身のことくらい、わかっとれっちゅーとんのに…。」

バタバタバタ…
廊下から何やら走る音が聞こえてきた。すると同時に襖がバシンッと開かれた。

「柔造がっ、倒れよったって…!?」
「蝮姉さん!」
「蝮か…?」
「柔造っ…!」

蝮姉さんが柔造さんに駆け寄る。
その目には、涙がうっすらと見えた。

(蝮姉さん…やっぱりなんだかんだ言って柔造さんが大好きなんだなぁ…)


「柔造、大丈夫なんか?」
「おん、大丈夫や。」
「ホンマにか…?お前、無理しとるんやないかえ?」
「ホンマに大丈夫、心配すんな。」

そう言って柔造さんは、蝮姉さんの頭を撫でた。

「…良かった…。た、倒れたて聞いてっ…びっくりしたんやからなっ…阿呆!」
「…心配かけてすまんな、蝮…」
「…馬鹿っ、馬鹿申!ホンマに心配したんやから!」
「はいはい、…今日はやけに素直やんな。」
「うっさい、馬鹿!」


蝮姉さんは顔を真っ赤にさすながらも、ホッとしたように微笑んでいた。




「柔兄と蝮さん、早う付き合うてまえばええのに。な、名前ちゃん。」
「そうだよね、まったく…ふたりとも素直じゃないんだから…」
「まったくや。柔兄も蝮もお互い想い合っとるんに…早うくっついてまえ!」
「金造さんは羨ましいだけでしょ?」
「うっ…」





110813


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