メイン | ナノ



ひとりあそび


朝起きても、みんなが来ない。
いや、まぁ来ない方が静かで良いんだけど、なんか少し寂しい。

「名前、お母さんたちは今日も出かけるけど…名前はどうする?」
「んー、多分またみんなが来るからそっちの相手しておくよ。」
「そうか。じゃあ行ってくるよ。」
「いってらっしゃーい。」


(…完璧ひとりぼっちになってしまった。)

「なんで来ないのよ…」

そんな私を影で見ている奴らがいるなんて知らずに、私はひとり携帯を取り出した。
(ちくしょう…もういいよゲームしてよ)





「…名前、可愛いですねっ☆」
「メフィスト、なんか気持ち悪いぜ?」
「兄さん、そんなの今更だろう。」
「ひとりあそび始めてもうた…」
「まぁひとりあそび言うか携帯でゲームしとるな」
「名前も暇なんですよ。僕はもう名前と遊びたいんですけど。」





そろそろゲームにも飽きてきたころ、すっと携帯を置くといきなり後ろからぎゅっと抱き締められた。

「えっ!?」
「名前、僕たちがいなくて寂しかったですか?」
「あ、アマイモン?…ん、少しだけ寂しかったよ」
「名前ちゃんがデレよった!」
「志摩うっさい。」

みんなが来ないことが、寂しかった。
アマイモンに聞かれて、はじめて気づいた。
なんだかんだ言って私はみんなといるのが好きなんだろう。

「もぅ、なんで今日は遅かったのよ。」
「いやぁ、ちょっと寂しがってる名前さんも見てみたい、と思いまして☆」
「…とりあえずメフィスト、お前はくたばれ。」







110613


[*前] | [次#]

しおりを挟む






「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -