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汗疹


「ぐわああああ痒いっ!」
「燐、大丈夫?」
「ぬー…」
「奥村くん、どうしたん?」
「ここ、痒くてっ…!」

燐は自分の背中を指差した。
燐の服を捲り、見てみると、汗疹が出来ていた。

「…汗疹、やねぇ。」
「汗疹?掻いちゃダメだよ、燐!」
「でもっ、痒いっ!」
「ほれ。」

燐が必死に掻くのを我慢してると、竜士くんがスッとクリームを突き出してきた。

「お?」
「これ、汗疹に効く薬や。」
「おぉー!ありがとな、勝呂!」
「別に。こんくらい普通や。」
「竜士くんやっさしぃ!」

私がそう言えば、竜士くんはほのかに顔を赤くした。

「兄さん、背中塗りにくいでしょ。塗ってあげるよ。」
「ん?あぁ、さんきゅー!」

そう言って燐は雪男くんに背を向けた。
雪男くんは燐の服を捲って、薬を塗り始めた。

「っ…ん…ゆ、きお…くすぐったい…!」
「我慢して。」
「ちょ、ほんとにっ…やめっ!」
「塗らなきゃ治らないよ。我慢我慢。」
「んん、ふっ…」

(コイツら…なんかエロいんだが。)

なんてことを考えてしまい、なんだか志摩に似てきたか、そんなことも思っていたら志摩が口を開いた。

「奥村くん、なんか声エロいなぁ…」
「は、はぁ!?キモいこと言うなよ志摩!」
「志摩くん…頭は正常ですか?」
「…志摩、お前男もいけるんか。」
「志摩さんはホンマに煩悩を断たれた方がええですよ。」
「みんなえげつない!!」

志摩と同じことを考えてしまったことを悔やみつつ、口に出さなくて良かった、と犠牲になった志摩に感謝した。



「兄さん、どう?あの薬痒み止めの効果もあるらしいけど…。」
「おー、さっきよりはマシだぜ!ありがとな、雪男!」
「燐、掻いちゃダメだからね!治んないんだからね!」
「わぁーってるよ。」
「ほんとかなぁ…」
「兄さんはすぐ掻いちゃうからなぁ…」
「お前らは俺の母ちゃんか!!」





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遅れてしまった…!

110811



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