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いいともー!


8月2日正午。
私は今、テレビを見ながらだらだらしている。
テレビからはお決まりのタモさんと今日のゲストの語りが聞こえる。

『…で、そんなことがあって〜』
『あ、そうなの?』
『そうなんですよ〜』

今巷で大人気のアイドルが甘ったるい声でタモさんに話しかけている。

「ただでさえ暑苦しいのに、何この甘ったるい声…さらに暑苦しいわ。」

少しイライラしながらチャンネルを換えようとしたとき、家のチャイムが鳴った。

「はーいはいはい!今いきまーすっ」

玄関まで行き、ドアを開けると、そこには雪男くんと燐がいた。

「よぅっ!昨日ぶりだな!遊びに来てやったぜ!」
「あれ、ふたりともどしたの?」
「こんにちは。ちょっと近くまで来たので、寄ったのですが、大丈夫でしたか?」
「別に良いよー。さ、上がって?」
「おー、ありがとな!」
「ありがとうございます。」


二人をリビングに通す。テレビではCMが流れている。

「今の時間だと、8チャンだからいいともだな!」
「麦茶でいいよね?」
「いいともー!」
「兄さん、煩い。」
「はは、賑やかでいいよ。」

私は3人分の麦茶を用意して、リビングに行く。
テレビではまたあの甘ったるい声のアイドルが次のゲストを紹介しようとしてるところだった。

「はい。」
「ありがとうございます。」

『えっとですねぇ、今日は、迎伊治さんで!』

「えっ!?迎伊治!?」
迎伊治とは、私が大好きな俳優だった。
「名前さんは迎伊治が好きなのですか?」
「うん!だいすきっ!」
私が笑顔で答えると、燐と雪男くんは一瞬、固まった。


『じゃあ、迎伊くん!明日いいとも来てくれるかなっ?』
『いいともー。』

「いいともー!!!」

「…そうか、名前はこんな奴が好きなのか…」
「迎伊治…壁は高いですね。」


二人がこんなことを呟いているとは露知らず、私はひとり明日のいいともを楽しみにしながら騒いでいたのであった。



110802


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