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縁涼み


8月が始まった日の夕方、私は家の縁側で一人涼んでいた。

「はぁー…涼しい…」

ぱたぱたとうちわで仰ぎ、風をおこしていると、ガヤガヤと玄関の方が騒がしくなった。

「名前ちゃーん、遊びに来たでぇ。」
「よぉ!」
「志摩!燐!二人とか珍しいね。」

ひょこっと庭に顔を出したのは、同じ祓魔塾の奥村燐と志摩廉造だった。

「坊と子猫さんも来はる予定やったんやけど、二人とも学園の方の課題で呼び出されとるらしゅうて。」
「え、志摩と燐は?」
「選択の課題やから俺らは無いんや、ね?」
「おー!」

私が立ち上がって志摩と燐の方へ行くと、彼らは黙って私をジッと見つめてきた。

「なに?」
「え、あ、いや……お前、足出しすぎ!」
「えー?そんなことないよ。暑いんだし仕方ないでしょー。」
「綺麗な足やねぇ、名前ちゃん。」
「志摩はにやにやしないでよ気持ち悪い。」
「名前ちゃんえげつない!」

私は縁側に座るように彼らを促し、私はリビングから麦茶とアイスを持ってきた。

「はいこれどーぞ。」
「さんきゅー!」
「おおきに。」

二人はアイスの袋を豪快に開け、食べ始めた。
(豪快に食べてくれるとなんか嬉しい。)

「うまいッ!」
「せやねぇ。」
「…涼しいねぇ」
「おー。」
「あと1ヶ月で学校始まるよー…。」
「宿題絶対終わんねぇ!」
「俺もや〜。」

それから私たちはそんなくだらないことを話ながら、3人でずっとお話ししていた。



110801


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