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ガラッと音を立てて、図書室の扉が開く。

「苗字さん、今日もよろしく。」
「あ、宮村君…よ、よろしく…?」
「なんで疑問形?てか苗字さん早いねー。」
宮村はストンと彼女の隣に腰かけた。

「とくに今日はやることも無かったので、そのまま来たんです。」
「そっかー。俺はまた安田に色々いちゃもん附けられてから来たよ…」
「それは宮村くんが校則違反してるからです。自業自得です。」
「まあね。…てか、今日はちゃんと話してくれるんだね。」
宮村は彼女の方を向いて、嬉しそうに微笑んだ。
「!…も、もう、話しかけないでくださいよっ」
「はーい」
彼女は少し照れたように赤らめた。それを見た宮村は小さくクスッ、と笑った。




翌日の昼休み…―

「苗字さーん!」
「!…み、宮村君。…なに?」
「え?特に用はないよ?」
「…だったら、なんで…」
「ただ話したかったら。」

宮村は屈託のない笑顔でそう答えた。

「なっ…!嘘言わないでくださいっ」
「嘘じゃないよ」
「嘘ですっ」
「違うって。ただ君と話したかったから」
なおも笑顔で話す宮村は、彼女の手を握った。
「な、にするんですか!?」
「一緒にご飯食べよ?」
「嫌ですよ!まったく…」


何で入ってくるんですか!
(なんで、私の中に…)
(そう言った彼女は)
(顔を真っ赤に染めていた。)






110721


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