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「苗字さん、図書委員一緒だから一年、よろしくね?」
宮村は彼女に笑顔で挨拶をする。

「…はい。…でも、あまり話しかけないでください。」
小さな声でばっさり答えた彼女。



これが彼女と宮村の初めての会話。


「あの、苗字さん、ここなんだけど」
「苗字さん、今日委員会だよね?」
「また明日頑張ろう、苗字さん」


「あのっ…あんまり話しかけないでって言いましたよね?」
あんなにばっさり言ったのに毎日話しかけてくる宮村を少し睨んで問うた。

「うん…確かに言われたけど…俺が苗字さんと話したいんだ。」


宮村がそう言うと、彼女は目を見開いたあと、またいつもの無表情に戻って口を開いた。

「なんで、私と話したいんですか?」
「んー…興味かな」
「興味?嘘をつかないでください。」
「嘘じゃないよ」
「嘘です。私になんか興味を持つ人なんかいるわけないんです。」
「なんでそう思うの?」
「私なんかこの世界でちっぽけないらない存在でしかないんです。そんな私に興味なんて」
「なんでそんなに悲観的なの?」

マイナス思考になる彼女に素直に問う宮村。
彼女は、そんな宮村に少しイライラしたのと同時に驚いた。

「なんで?だってそうじゃないですか、私はいらない人間なんです。」




私、ダメなんです。
(そういった彼女は、)
(いつになく悲しそうな表情をしていた)






110126



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