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ハプニング




修学旅行3日目。
私は見事に、

38.5゜の熱を出していた。



「大丈夫?名前…」
「ん…ありがと、愛ちゃん…」
「名前、先生呼んできた。」
「おい、苗字。大丈夫か?」
「谷原、先生…」

冬夜くんが呼んでくれたのか、谷原先生が部屋に入ってきた。

「とりあえず、梨本と神山はみんなと移動しろ。」
「でも名前が…」
「俺がついてるから、安心しろ。」
「…わかりました。」
「谷原先生、名前を頼みます。」
「まかせとけ。」


愛ちゃんと冬夜くんは部屋を出た。
…てか、え?
谷原先生が一緒にいてくれるの?
嬉しい、なんて思ってしまうのは不謹慎だと思ったけど、気持ちなんか押さえられなかった。
そんなことを思っていたら、谷原先生から

「とりあえず、ここじゃなくて、医務室に行くぞ。」

先生はそう言って、私をお姫様抱っこした。

「うひゃっ!?えっ、先生!?」
「熱出てちゃ歩くのだって辛いだろ?」
「いやっ、大丈夫ですっ…!」
「いいからいいから。」

そして私の言葉の抵抗は虚しく、私はそのまま医務室へ運ばれた。




「ありがと、せんせ…けほっ、」
「おう、わかったからとりあえず寝てな。」
「っ、ゲホッ、コホッ…はい…」
「俺がずっと着いててやるから、な?」

先生が私の頭をゆっくり撫でてくれる。
それが嬉しくて、私は思わず頬が緩んでしまった。

「何ニヤニヤしてんだ?」
「え?いや…何でもないですっ…おやすみなさい、先生。」
「あぁ、おやすみ。」


それから私が眠るまでの間、先生はずっと私の頭を撫でてくれていた。







110910


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