捧げ物 | ナノ

オーシャン・デイ

「お待たせ致しました。お預かりしたポケモンは、みんな元気になりましたよ」
「ありがとうございます!」


受け取った4つのボールをホルダーにセットし、PCを経つ。私たちは今、マサゴタウンに戻ってきていた。何故かと問われれば単純で、ナナカマド博士に呼ばれたからだ。この前仲間になったミロカロスの璃珀が色違いということを説明したところ、生で見てみたいという博士の要望のためこうして戻ってきたのだ。璃珀にも確認をとったところ、快く承諾してくれたから。


(普段お世話になってる分、このくらいは恩返ししないとね)


博士の観察タイムも終了し、PCで回復後は久しぶりにコトブキシティでゆっくり過ごそうかと考えていた。すると今度は紅眞がマサゴタウンに海があることを知り、海に行きたいと言い出したのだ。時計を確認すると時間も余裕があるので、急遽海に行くことになった。
マサゴの海は相変わらず穏やかな波と澄んだ海の水がとても綺麗で、自然の優しさを象徴してくれる。みんな人型になり各々シータイムを満喫している。そういえば、ここで私と碧雅はパートナーになったんだよねぇ。懐かしいなぁと感慨深く話しかけると「そんなこともあったっけ」と本人はそこまで気に止めてない様子だった。


「ショック!」
「違うよご主人。碧雅くんのこれは単純に……」
「凍らされたいの?」


目が怖いわ。そんな碧雅をものともせず笑ってやり過ごす璃珀はある意味大物だよ、うん。


「すぅ……やっほー!」
「紅眞、その叫びは山に登った時に使うものでは……」
「細かいことは気にすんなって!海見ると、アローラに行ったことを思い出すよなー」
「へぇ、アローラに行ったことあるんだね」
「うん、友達と一緒にね」
「えっご主人、友達いたのかい?」
「泣くよ?」
「ふふ、ごめんね。冗談」


まあ璃珀もからかって言ってきてるのが分かるけど、もはや当たり前になってきた頭の一撫で。初めはビックリしたし恥ずかしかったけど少しずつ耐性がついてきた。それでも時々照れる時はあるけどね。
それにしても、友達かぁ。きっと頭に思い浮かべている彼女たちも、各地を巡り私と同じように頑張っているのだろう。


「……そろそろ動いた方がいいね」
「ホントだ、もうこんな時間!」


みんなを集めボールに入ったのを確認し、私はコトブキシティへと足を進めた。


202番道路の景色を堪能しながら進み、コトブキシティに到着した。PCで部屋を始めに確保し、一旦休憩。みんな性格もバラバラだから各々行きたいところも違うだろうと思い、希望を聞いたけど返ってきたのは予想外なもの。


「僕、あの時のアイスが食べたい」
「俺もー!アレ美味かったわ!」
「そうなのですか?なら私も」
「それじゃあ俺も便乗しようかな」
「みんなアイスかい!」


ある意味仲良しなのか……な?まあ私もあそこのアイス美味しかったし、また行きたいなと思ってたから良いけど。
休憩もそこそこに、目的地であるアイス屋さんに向かっているところで道の真ん中で何かが落ちているのを見つけた。小さくてよくわからなかったけど、近付くとそれはケーキとかのお菓子や水色を基調とした模様のアップリケだと分かった。誰かの落し物かな?


(新品みたいだし、ジュンサーさんに届けた方がいいよね)


みんなを外に出し、お金を碧雅に渡す。


「私これ届けてから向かうよ、先に行って食べてて」
「……一人くらいついてないと危ないでしょ。行くよ」


と言い紅眞にお金を渡しラリアットのように首を掴み歩き出す。首!締まる!何とか手を振り「行ってくるねぇ〜……」と死にそうな声で伝えた。碧雅の肩越しに見えた璃珀は面白そうに笑ってたので後で覚えてなよ?




「どこやっちゃったんだろ……」
「心当たりのある箇所は探したんだがな……。幸矢もそろそろ戻るだろうし、そこからまたどうするか決めよう」
「うん。……レイナに、あげたかったのにな」


ラリアットから解放され交番に向かっている途中、テレビコトブキ前の噴水広場で聞き覚えのある声が聞こえてきた。声のするほうを見ると紙袋を大事に抱えて悲しい表情をする笑理ちゃんと、買い物帰りらしい袋を持った誠士君がいた。自然と足が止まった私に気づいた碧雅も視線を辿り2人の存在に気付いたようだ。困ってるみたいだけど、何かあったのかな。


「笑理ちゃん!誠士君!」
「え、この声……ユイ?碧雅も?」
「どうも、奇遇だね」
「ああ。2人とも元気そうで何よりだ」
「そっちもね!……笑理ちゃん、何かあったの?」
「うん。実は、落し物しちゃって」


いつも明るくてハキハキした笑理ちゃんの笑顔が今は無理して笑っているように見える。どんなものを落としたのか聞くとアップリケらしくて……ってもしかして。先程拾ったアップリケを見せると「これ!これだよ!」と嬉しそうにそれを手に取った。わあ、なんというミラクル。


「ユイありがとう!」
「どういたしまして。ジュンサーさんに届ける前で良かった!」
「……君って裁縫やってたっけ、記憶に無いけど」
「やってないよ。幸矢に教えてもらいながら、ハンカチを作ろうと思って」
「ゆきや?」


そういえば、さっきもその名前を聞いたような。


「ああ、ユイ達は会うのは初めてだったか」


そう誠士君が言うのとオレンジの髪をしたポニーテールの男の子がやって来たのはほぼ同時だったように思う。少し癖の残る一束のポニーテールが風に靡くが、息一つ乱れてなかったのは彼がポケモンだということの顕れだった。


「悪いな、遅くなった。……ところでアンタら、誰だ?」


彼の視線の先は私と碧雅。比較的距離の近い私の肩を掴み睨みつけるようにこちらを見やる。この人が幸矢君がなのかな?碧雅がポニーテール君を冷たく睨んでいるけど、見知らぬ人にそんな目向けちゃいけないよ。誠士君が彼の手を掴み止めに入る。


「幸矢、彼女はレイナの友人だ」
「友人?……そういえば、そんなことを話していた気もするな」
「え、そうなの?」


なんて話してたのかちょっと気になる。幸矢君は私に悪かったと謝罪し手を離してくれた。そして何事も無かったかのように誠士君に状況を伺う。クールだ、誠士君に次ぐ新たなクール系イケメンだ。碧雅もレイナの仲間だと分かったからか、「ふーん」とひとまず納得したようだ。


「そうか、見つかったか。ならレイナたちの所へ戻った方がいいな」
「ねぇ、せっかくだからユイと碧雅も一緒に行こうよ!」
「そうだな、來夢達も喜ぶだろう」
「いいの?私も久しぶりにレイナたちに会いたいなぁ」
「行くのは構わないけど、紅眞たちと合流しないとね。ていうかアイス食べに行かないと」
「義務になってる!?」


まあ元々その予定だったけどね。するとタイミングよろしく緋翠の「マスター!」と呼ぶ声が聞こえてきた。呼ばれた方を振り向くと、アイスを持った緋翠たちがこちらに向かってきていた。どうやら落し物を届けに行った私と碧雅のためにアイスをテイクアウトして気配を辿ってここまで来てくれたらしい。ご丁寧にカップタイプにしてドライアイスも入れてくれてるので冷たいままだ。


「ありがとうね緋翠」
「わー!みんなも久しぶり!」
「笑理に誠士じゃん!お前らなんでここに?」
「あの落とし物、笑理の物だったんだって」
「そうだったのですか。お久しぶりです、2人とも」
「賑やかになってきたな。そろそろ動いた方が良さそうだ」


確かに人……っていうかポケモンが増えてきたもんね。レイナたちは今日ピクニックをする予定みたいで、誠士君たちは飲み物やお菓子を買いに行ってたらしい。人数が多い方が楽しいしレイナも喜ぶだろうとお誘いをいただいた。わーい!誠士君お手製のお弁当楽しみ!


「…………。」
「…………ふふっ。みんな楽しそうだね」
「……そうだな」


あ、久々の再会ではしゃいじゃってたけど、璃珀の紹介をしないと。幸矢君についても教えてもらいたいし。蚊帳の外になっていた2人を呼び、レイナたちの元へ向かおうと私たちは動き出したのだった。




「え!幸矢君ってぬいぐるみも作れちゃうの!?」
「まだ試したことは無い。だが、材料と作り方を見ればある程度はできると思う」
「ほぇ〜……でも他の人に教えられるくらいにはできちゃうんだもんね、凄いなぁ」
「笑理のそのハンカチはレイナ様にプレゼントするのですか?」
「そうだよ!幸矢に教えて貰いながら作るつもり!」
「確かにこのアップリケ、いかにもレイナって要素が詰まってるもんな〜」
「もし上手く出来たら今度は來夢に、いつかはみんなにも作ってお揃いにしたいなぁって!」
「ぐっ、可愛い」


その純粋無垢な可愛さにたまらず手で顔を覆ってしまう。ブイゼルの幸矢君はそんな私を珍獣を見るかのような目で指差しながら碧雅たちに問いかけた。


「……アンタらの主人はいつもこうなのか?」
「ここ最近色々あったからね。純粋に可愛い子を見て癒されたいんじゃないかな」
「ただのロリショタコンでしょ……うん、美味しかった」
「可愛い子を見て癒されることの何が悪い!ていうか食べるの早いね?私の分あげようか」
「貰う」
「……見えてきた、あそこだ」


誠士君の言われた場所を見てみれば、チェック模様のレジャーシートを広げてピクニックバッグを真ん中に置き、その周りを“待て”の姿勢で待っている焔君と勇人君。そして來夢ちゃんとレイナが仲良く談笑をしていた。「ただいま〜!」と笑理ちゃんが大きく声を上げたことでみんながこちらに気づき、私たちがいることも分かると驚いた表情をしていた。


「ユイ!コトブキシティに来てたんだね!」
「うん!偶然笑理ちゃんたちに会ってね!それにしても、こんな綺麗な公園があったんだね」


近代的な作りのコトブキシティから少し離れたところにある、自然豊かな小高い丘の公園。一本の大きな樹が印象的で、ソノオタウンほどの大きな花畑ではないけど色とりどりの花が綺麗に咲き誇っていた。レイナに肩を軽く叩かれたのでどうしたのかと伺うと、璃珀について尋ねられた。そっか、レイナにも紹介しないとねと璃珀をこちらに呼びつける。意図を理解したらしい彼はレイナにいつものように微笑みながら手を差し出した。


「こんにちは。あなたがレイナさんかな?俺はミロカロスの璃珀、どうぞよろしく」
「み、ミロカロス!?」


あ、驚いてる。レイナが驚くって貴重な気がするなぁ。差し出された手をぎこちなく受け取り握手を交わすレイナを見守る。するとレイナも幸矢君を紹介しようとしていたが、ここに来る前に自己紹介してもらったことを伝えると少し驚いていた。


「幸矢、対人関係不器用だから仲良くしてくれると嬉しいな」


苦笑いを浮かべながら耳打ちしてくれた。確かに彼の性格上口数が多いという訳では無さそうだけど、話を振るとしっかり返答してくれるし、心配することはなさそう。碧雅みたいに毒吐かないしとジト目で碧雅を見たら「何見てるの」と変な目を向けられた。

タダで参加させてもらうのは申し訳なかったので、余分に買った(恐らく殆ど碧雅の食べる分)アイスをデザートとして渡した。お弁当を広げ、席に座って、各自飲み物を持って、準備は整った!


「それじゃトレーナーの私たちが代表ってことで」
「えぇ!?……じゃあ、か、乾杯〜!」


色んな声の乾杯の声が返ってきた。まるで宴会みたい。各々好きな物を食べたり、飲んだり、話をしたり、好きな時間を過ごしている。勇人君はタツベイからコモルーに進化したみたいで、髪の色が変わって背も少し伸びていた。でも元気で大食いなところは変わらないのが彼らしいな。


「勇人も進化したんだなー、おめっと!」
「おう!進化したおかげでまた別の課題ができちまったけど……レイナ達と一緒に乗り越えていくさ!つーか俺、お前ともバトルしてぇな」
「あ、僕も気になってたんだ。同じほのお・かくとうタイプだし、いい経験になりそう」
「お前らそんだけ食って動けるのかよ」
「え?まだ腹3分目くらいだけど」
「カビゴン顔負けの食べっぷりだね、底が知りたくなってくるなぁ」
「よく食べよく動きよくバトルする、これが強くなる秘訣だぜ!」
「誠士、お前よくこんだけの量毎日作れるよな〜。俺、お前が一番の苦労人だと思うわ」
「確かに、私たちの仲間ではここまで平らげる方はいませんからね」
「これだけ2人が食べてくれるからな、私としても作り甲斐がある」
「その前に食費が凄そうだけど」
「おい無視すんなよ!」


うーん賑やかだ。私もレイナと話をしていると、ふと來夢ちゃんがみんなと離れた距離にいることに気づいた。何かしようと手を伸ばすけど、諦めたように戻して。視線の先は……璃珀?さっきも乾杯前に幸矢君と一緒に軽く紹介したけど、どうしたのかな。


「來夢は人見知りだから、まだ璃珀君と馴染めてないのかもね」
「そう、なんだ……」


確かに來夢ちゃん、いつも笑理ちゃんと一緒だし一人でいるところをあまり見たことがない。今笑理ちゃんは幸矢君とのハンカチ作りに集中していて、みんなも会話に夢中で來夢ちゃんがいないことに気づいていないようだった。
すると焔君の大食いっぷりを面白そうに見ていた璃珀が席を立ち、來夢ちゃんのほうへ近寄っていった。來夢ちゃんの目線と同じになるように屈んで、優しく話しかける。


「きみは確か、ランクルスの來夢ちゃんだったかな。こんなところでどうしたんだい」
「えっと…………っ」


なんとか話そうとするけれど、上手く言葉が出てこないのか俯いてしまった來夢ちゃん。レイナと顔を見合わせてみたけどここは一旦、様子を見てみようということになった。璃珀は來夢ちゃんをしばらく見つめたかと思うと、いつも首元に着けているしんぴのしずくを手に取り、來夢ちゃんに見せる。


「來夢ちゃん。これが見えるかい」
「……う、うん」
「もし誰かの顔を見て話すのが怖かったり、緊張するようなら首元を見て話すといいよ。慣れてきたら少しずつ、目を見れるようになるといい。きみはエスパータイプだから、他のポケモンよりも心の機微に敏感だろうしね」
「……ごめんなさい。私、どう話したらいいかわからなくて。上手く話せないと目を見るのも怖くて、でもあなたが怖いわけじゃないの。ただ……」
「慣れない相手だと気を使うからね。無理をしないで、來夢ちゃんのペースでゆっくり心を開いてくれたら嬉しいな」


泣きそうだった來夢ちゃんの表情が落ち着き、少しだけ顔が上がった。


「それよりお腹すいたね、何か食べたいものはあるかい?」
「……卵焼きと、おにぎり」
「分かったよ」


そう言い來夢ちゃんと自分の分のご飯を取ってきた。ついでにデザートのアイスと、恐らくレイナお手製のポフィンも。レイナが横で「流石いつくしみポケモン……」と呟いていたけど、“いつくしみ”ってどんな意味だっけ、後で調べておこう。
來夢ちゃんも勇気を振り絞ったのか、顔が少し赤かったけど一瞬顔を上げ、璃珀の目を見ながら「ありがとう!」とお礼を言った。


「うん、よく出来ました來夢ちゃん」


璃珀はまた、紅眞とは違うベクトルのコミュ力の持ち主だなぁ。すると今度は笑理ちゃんと幸矢君が近付いてくる。どうやらハンカチが完成したみたいで、笑顔でレイナにそれをプレゼントした。白いハンカチに刺繍とアップリケが施された、この世でただ一つの物だ。


「わっ……可愛い!笑理ありがとう!」
「えへへ、レイナをイメージして幸矢に手伝ってもらったんだ」
「幸矢も、ありがとうね!」
「別に、頼まれたからやっただけだ。……そうだ、アンタに渡しておきたい物がある」
「へ?私?」


幸矢君に渡されたものは片手で収まるくらい小さくて可愛い、デフォルメされたピカチュウのぬいぐるみだった。え、ほんとにぬいぐるみ作っちゃってるじゃん。ていうかこんなクールでかっこいい顔しながらこんな可愛いもの作っちゃうギャップヤバくない?


「コトブキシティでは悪かった。詫びの品としては物足りないだろうが……気に入らなかったら捨ててくれて構わない」
「滅相も無い!超可愛いよ!ありがとう幸矢君!」


寧ろ返せと言われても返しませんとも!
幸矢君は「ただ材料が余っていただけだ」と言っていたけど、だとしてもここまでのクオリティで作れるのはすごい才能だと思う。
チェーンも着いているからバッグにでも付けようかなと考えていると紅眞達がぬいぐるみを見て目を輝かせながら幸矢君に次々と話しかけていく。


「へー!お前すげぇじゃん!なぁ今度はアチャモとか作ってくれよ!」
「それなら僕も!ヒコザルがいいな!」
「あーっずるい!あたしもパチリスのぬいぐるみ欲しい!」
「タツベイも意外に可愛いんだからな!」
「君は一体何の対決してるの」
「……気が向いたらな」


そう言い幸矢君は早足で去ってしまった。あれ、気を悪くしちゃったかな?レイナはその光景を見てクスクス笑っていて、幸矢君のアレは照れているらしいとの事だった。今頃耳赤くしてるよと言われその光景を想像する。……か、可愛いな、それ。


「えっ……!そうなの?」
「ふふ、驚いたかな?」
「驚いたけど……素敵、だと思う」
(何やら來夢ちゃんの視線を感じる)


両手で口元を覆いながらこちらをキラキラした目で見つめてくる來夢ちゃん。頬は手で隠れているけどほのかに赤くなってるような……ま、まさか。


「璃珀!いたいけで可愛い來夢ちゃんに一体何を!?」
「何もしてないよ。ただ少し話をしていただけさ、ねえ?」
「うん。聞いていてすごく楽しかった」
「そ、そう?ならいいんだけど」


何やら二人で内緒話か。ていうか仲良くなるの早いね?
あの後勇人君と紅眞のサイコソーダ一気飲み対決だったり、焔君の早食いタイムアタックだったり、以前のコンテストで披露してくれた演技の再演だったりと、とても楽しい時間を過ごした。

そうこうしているうちに気づけば時刻は夕方になりピクニックの終わりを告げる。片付けもそこそこにお互い次の目的地のための旅が再開する。とは言ってもレイナは今日コトブキシティに泊まるんだけどね。


「今日は飛び入りで参加しちゃってごめんね、でも楽しかった!」
「私も!また今度電話して会おう!」


お互い握手を交わし、私は次の街への道を歩き出す。レイナの新しい仲間の幸矢君のくれたぬいぐるみを早速バッグに付けた。
歩く度に揺れ、夕陽に当てられ輝くその色は、彼の陽だまりの髪色と同じ色をしていた。

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