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「あ!ユイ!」
「ジュン君?久しぶりだね!」


PCに戻りジム戦を戦ったメンバーをジョーイさんに預け回復を待っていると、ドタバタと駆け込んでやって来たのは久々に見た跳ねた金髪とオレンジボーダーの少年、ジュン君だった。
互いに再会を喜んだのも束の間、バトルを挑まれそうになったのでミオシティのジム戦を終えたばかりだと伝える。すると「なんだってんだよー!」と叫んで項垂れた。なんだか晶と気が合いそうだね。


「ってことはユイはバッジ6つか!相変わらずオレより少しだけ強いな……」
「ジュン君はこれから挑むの?」
「おう!モウカザルがようやくゴウカザルに進化してな。ようやくオレらしいパーティーになってきたんだ。この勢いで全バッジ取得してポケモンリーグチャンピオンになってやるぜ!」
「良いじゃねぇか!応援してるぜ!」
「うぉ!?お前誰だ!?」


あれ、そういえばジュン君に私の仲間を紹介したことってなかった?碧雅と緋翠くらいしかまともに顔を合わせてない……?


「随分騒がしい男の子ね。知り合い?」
「うん、フタバタウンのジュン君。夢はポケモンチャンピオンなんだって」
「こいつも仲間なのか……?」
「アタシはユイのお友達☆」


独特の口調でウィンクしたカイちゃんを見て一瞬驚いていたものの、すぐ正気に戻り「よろしくな!」と挨拶するジュン君。いい子だ。


「そういえば、今度博士とヒカリたちがここの図書館に集まるんだってよ。聞いてるか?」
「え、知らない!何かやるの?」
「オレも詳しくは知らないけどさ……なんか博士が大事な話があるんだって。オレはそれよりジムを巡りたいんだけどな!」
「そうなんだ……。もし機会が合えば私も挨拶に伺おうかな、図書館には寄る予定だし」
「きっとヒカリたちも喜ぶぜ!……ってこんなことしてる場合じゃない!早くジムに行かないとな!」


じゃまったなー!とジュン君は風のように颯爽と去っていった。うーん、相変わらずせっかち。ジムは逃げないと言うのに。

…………あ、またみんなの紹介しそびれた。


「……ジュン君にみんなの紹介ができないのって、あのせっかちさも一因だったりしない?」
「…………はぁ」


碧雅がため息をついたのが答えだった。ま、まあ、図書館でも会えるだろうし、ヒカリちゃんたちにも増えた仲間を紹介したいし、ちょうどいいだろうと思うことにする。
そして治療終了のアナウンスが鳴り、すっかり元気になった仲間を引き連れ、いよいよ鋼鉄島へ向かう。

船着場に行く道中、街の中でも一際大きい建物が目に入った。どうやらここが図書館みたい。


「図書館は鋼鉄島に寄ってからにしよっか。その方がゆっくり調べられそうだし、博士たちと会えるかもしれないし」
「アイツらも元気にしてっかな〜?ポッチャマとかどうなってんだろ」
「あの小生意気な媚び売りポッチャマね」
「碧雅……せめて演技派と言ってあげたらどうですか」
「晶くん、大丈夫かい?きみはボールで待機していても……」
「ほざくなロン毛。僕が何のためにここまで来たと思ってる」
「カイちゃん、きをつけて」
「あら、どうしたの白恵?」
「…………ちょっと、こわい、かも」
「怖い?」


白恵は何かを予感したのかな。何に対しての“怖い”かは分からないけど、ここまで来たら行くしかない。それに頼りになるみんなと一緒なら、きっと大丈夫だ。


「いらっしゃい!船、乗るかい?」


威勢のいい船乗りのおじさんにお願いしますと伝え、船は鋼鉄島へ向けて海を出発した。


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