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なぁ、お前は星空と青空どっちのが好き?
そう問われて、倉間は星空と答えた。大抵の人は幻想的に思う星空の方が好きなんじゃないですか、と。それに納得したのかそうでないのか、南沢はそっか、と呟いて空を見上げる。
今は茜空。何故なら部活をやってもう夕方だからだ。南沢が問いに出した青空はもう明日でないと見ることは出来なくて、星空はあと数時間しないと見ることは出来ないだろう。
ふぅ、と息を吐いて南沢は一人部室に向かう。その後を追うように、倉間が駆けた。南沢の紫の髪は夕陽に焼かれ、いつもより紅く見える。それに綺麗だなと倉間は思いながら口にはしない。きっとこの目の前の先輩は、当然だろ、としか言わないだろうから。
それで、アンタはどっちのが好きなんですか。
思い出したように訊いてみれば、南沢もなんのことか判らないと言う。ああやっぱりさっきのは南沢の気紛れが起こした質問だったのだろうか。
少し考えて、南沢はあぁ、と呟く。
「俺は青空の方が、好きかもな」
「ふぅん」
まあ俺も南沢さんが好きって言うなら青空の方が好きってことにしときます。
そんなことを言う後輩に、何だよそれと笑えば、後輩もまた笑顔になった。
それに君を重ねただなんて絶対に言ってやらない。
fin.
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よく判らない作品になったのは言うまでもない……。