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耐えられない、と倉間は口にした。眉間に皺を寄せて、あまりにも普段通りな南沢を押し倒して、倉間はそのか細い首に手をかけた。
南沢は笑う。それも人を魅了するような、綺麗な笑顔で。
何で笑ってるんですか。俺、笑ってる? 笑ってますよ。そっか。
南沢は納得したように頷いて、
「お前と触れ合えたのが、嬉しいんだ」
自分の喉元を絞めようと待機する手に自分のそれを重ねる。
「あんた馬鹿ですか。今俺はあんたを殺そうとしてるのに。っていうかだったら何で別れたんですか。俺のこと好きなんでしょう、そうなんでしょう。そうじゃなかったら普通は恐怖でしょうよ、こんな状況。それなのにあんたはこんなにも余裕だ。俺が出来ないと思ってるからですか。愛されてる自覚があるからですか。えぇ愛してますよあんたのこと。あんたにフラれてからもずっとずっとあんたを愛してたんです。俺にはあんただけであんたしかいなくてあんたがいなきゃ俺じゃなくてあんたを俺のものに出来るならあんたを殺すことくらい、出来るんですよ、」
塞き止めていた何かが決壊したように溢れ出す言葉を、倉間自身には止められなかった。格好が悪いだとか、そういったことすら考えることも出来ない。
その辛辣とも取れる言葉を、南沢は全身で受け止めた。切羽詰まっているその様子に、南沢は満足する。この言葉だけでもあらゆる欲を凌駕するようだった。
「……なら、して?」
ここをキュッと絞めて、俺をお前だけの物にして。
そう言いながら、南沢は倉間の首に手をかける。
「その代わり、お前も俺にちょーだい」
恋人同士であった時に見たそれと、一つも変わらない。倉間はその色気にクラクラとし、また彼に求められたことの嬉しさで、一時も迷うことなく、頷いた。
君の腕で、首でも吊ろうか。
title by 逆睫様
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はいよく判らんね!!
どっちも病んでる話が書きたかった。
でも悪いの全部南沢、倉間は被害者可哀想可哀想。
病んでる倉南もいいと思うよ。
でもこの場合、高確率で片方だけ残りそうだ。
そして残るとしたら倉間なんだと思うよ。