digitale▼
まだ昼間だというのに、どうしても我慢出来ず体育館裏に倉間を呼び出して、なぁキスしてってねだる俺って本当に堕落した人間だと思う。
下手をすれば誰かに見られてしまうかもしれないのに、それでもいいと思うのだから重症だ。俺にとっては倉間との関係が知れ渡ることよりも、倉間と触れ合えないことの方がよっぽど辛かったりする。
「南沢さんどうしたんですか、急にそんな甘えて」
「いいじゃん別に。そんな俺は嫌い?」
「寧ろ可愛いっすね」
そう言って倉間はちゅ、と音を立てて子供のようなキスをしてきた。それでは足りないと俺が倉間の首に腕を回せば、それを合図に熱く深いキスを交わす。
「ふっ、んぁ、……は、ん」
上擦ったような甘ったるい声が漏れることも構わず、貪るように舌を絡ませる。あんなにキスが下手くそだった倉間も、いつの間にかこんな濃厚で甘い物を贈れるようになったのだから、人間の欲に纏わる成長とは凄いものだ。
漸くお互い離れれば、倉間はこの上なく欲情しきった顔をしていて、その表情にまたくらくらする俺がいる。きっと俺の顔も酷いことになっているだろうが、そんなことは構いやしない。
倉間が、もっとほしい。
「は……南沢さん、」
「もういっかい」
濡れて熟れた唇をもう一度倉間のそれに重ねて、また深く深くお互いを味わった。俺と倉間の唾液が混ざり合って口端から零れ落ちていく。何度も何度も角度を変えながら貪って、若干の苦しさを覚え頭が痺れていく。このまま倉間の腕に抱かれながら窒息死するのも悪くないと思えるその官能的なキスは、俺をどんどん溺れさせていった。
「んっ……は、くら、まぁ」
「っはぁ、もうダメですって……」
「嫌だ。もういっかい」
我儘を言う俺に、もうキスだけじゃ足りなくなっちゃいますよ俺、と倉間は抗議するけれどとっくに俺はその気になっていたので寧ろ好都合だと、倉間を冷たい土の上に押し倒してその上に跨がった。そうして学ランを脱いでシャツのボタンを外していく。倉間がごくりと喉を鳴らしたのを見て、俺はくすりと笑った。
「なぁ、キスして倉間」
「もうどうなっても知りませんよ」
いいよ、構わないよ、だからキスしてよ倉間。言わずしてもそう伝わるように俺は、倉間の頬に両手を添えて、また甘く蕩けるようなキスをした。
貴方とするキスが好き
(百万回されても、足りない)
fin.
--------
最近こんな南沢ばっか書いてる気がする。