※年齢操作してます。大学生の二人。でも年齢操作する意味もない気がする。
※そんでもって同棲中だったり。

 初詣行くんだから、絶対起きて下さいよ! なーんて言ったのは何処の何奴だったのだろうか。南沢は何度声を掛けても一向に起きる気配のないそれに、溜め息を吐いた。
 まあでも予想はしていたのだ。南沢はきっちり予定した時間に起床したけれど、隣に眠る倉間が自分が起こしたところで素直に起きないことくらい判っていたことだった。
 第一昨日、否もう日付は変わっていたのかもしれない。何となく最中に「あけおめっすね南沢さん」と言われたような気もする――つまり二人は年を越し新年を迎える時に抱き合っていたので、当然眠りに落ちたのはそこそこ遅い時間でもあった。それでも倉間が初詣に行きたいと騒いでいたものだから、予め二人で予定を立てたというのに。まあそれも倉間らしいと、南沢は思うのだが。
 南沢は苦笑しながら、その辺に捨てられたように置かれている自分の服に手を伸ばす。それは当然のように所謂部屋着なわけで、もう南沢には外出しようなんて考えは何処にも残っていなかった。第一もうお昼近いわけで、今更出たところで人が多くてただ疲れるだけだろうとしか思えないからだ。

「ま、悪くはないか」

 南沢はそう呟いて、元いた位置に入り直す。布団をすっぽり肩まで被って、隣で寝息を立てる倉間の顔をじっと見つめて頬を緩ませた。寝正月だって悪くない。初詣に行こうと行かまいと、結局二人でいれるこの時間が、南沢にとって幸せな一時なのだ。倉間本人に言ってしまうと調子に乗ってしまうので、絶対に言ってやらないと、南沢は固く誓っているけれど。
 そうしていたらまた何だかうとうとし始めて、南沢はそれに抗うことなく静かに瞼を落とした。何となく、そうただの気紛れで、自分の手を倉間の緩く開いた手に重ねて、優しく指を絡ませる。それがまた安心出来て、気づけば南沢は眠りに落ちていた。
 数十分後、ようやく目を覚ました倉間であったが、自分の手を逃がすまいとする南沢に、一人にやにやと口の端を緩ませて、幸せを噛み締めるのであった。全く本当に新年早々バカップルにも程がある。

今年も来年もその先もずっと隣に。
fin.
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同棲設定だから年齢操作なんだけど、別に年齢操作した表現は何処にもないので、やっぱり年齢操作した意味があったのかはさっぱり判らない。










2011.12.08-  



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