「あ、おはようございます!今日は和食にしてみました」
寝室から出てきた蘭丸は朝食には相応しいとも言える和食を見て空腹を更に感じた。春歌が毎朝蘭丸、レン、真斗の三人の朝食を作りにきているのだ。
椅子に座り手を合わせて味噌汁を吸うと何故か安心しているような気がする。春歌がコップに麦茶を注ぐ姿に、幼い頃を思い出した。
「…おい」
「はい?なんでしょう」
「味付けの元は、お前のおふくろさんか?」
蘭丸の質問に春歌は首を傾げるも頷いた。そうして楽しそうに話し始める春歌を見つめながら、自分の母親もそうなのだろうかと考えた。
「女、今度ホットケーキを作れ」
その一言に春歌は力強く返事をする。そうして蘭丸はご飯を平らげお代わりをするのだった。