うたプリ | ナノ





「さっちゃん、あのね」

今日もまた那月は学校で起きた出来事をそれは楽しそうに話してくる。その時の那月は笑顔で身振り手振りをしながら細かく話し、くるんとカールしているアホ毛が荒らぶって見えるのは気のせいだろうか。俺は那月の笑顔が好きだ、那月が笑って幸せならそれでいい。例え俺以外の奴のことをこれでもかってなくらい楽しそうに話していたって、それでいい。那月の笑顔が見れるなら、那月が幸せなら俺も自然と笑えるし幸せだと思えるから。

「今日も楽しかったんだな」

暫く経ってマシンガントークが終わったタイミングを見計らって、そう普段通りの返事を返せば那月は頬をほんのりと赤く染めて眼鏡の奥にある瞳を細め微笑んで元気よく「はいっ!とても素敵な1日でしたッ」と俺の鼓膜を震わせるのだ。