・四ノ宮分裂
・なっちゃん女の子
「さっちゃん、お願いだから僕を見て?」
そう言って来た那月は大胆にも俺をベッドに押し倒して更には跨いでは腹に乗って来た。学校から帰って来たばかり、スカートから覗く真っ白でむっちりとした太ももが晒される。俺は驚いた、さっきまで普通に話していたはずだ。いつも通りに何気ない会話をして制服を脱ごうとした瞬間、これだ。
「ちゃんと僕だけを見てください」
切なそうな顔をした那月が俺の両頬を掴んで顔を近づかせてきた。那月の瞳が鼻が唇が近づいて吐息がかかる、俺は流されまいと…これは那月の悪戯なんだと目を背けると唇に暖かく柔らかい感触…那月にキスされた?
「な、つき…?」
「さっちゃんがいけないんだ、僕を無視するから、僕に触れてくれないから、ハルちゃんばかり構うから」
俺の手首を掴んで那月の胸に触れさせられる。初めて触った感触、ふわふわとしていて揉みごたえがありすぎて止まらなくなりそうなのを必死に止めた。だが那月が言った言葉に対して思い当たることは一応、ある。無視をするのは那月にそういう対象であるからであって触ると壊れてしまうんじゃないかと怖かったから、あの女に構うのは席が隣だからであって俺から必ず話しかけはしない。これは嫉妬なのだろうか?もしそうならこれ以上にない嬉しさだ。
「ンッ…!?」
柔らかいそれの頂きに触れると夢の中で何度も聞いた声以上の破壊力に腰が重くなった気がした。那月は手を口に当てて困惑していて先ほどの勢いが無くなったのを良いことにそのまま那月を抱き締めた。
「さっちゃん…?」
「那月が悪いんだからな」
再び唇を合わせれば真っ赤になりつつも微笑む天使がいたからよしとしよう。おやすみ世界。