うたプリ | ナノ





薄暗い部屋に反して月夜の光が綺麗なミルクティを輝かせる。美しく儚く可愛らしく、力を込めると声が鳴る。それと共に奏でられるリズムは普段聴いたら消し飛ばすだろうが今ではとても心地いい。雫がぽたぽたと床を濡らす、とても綺麗で純粋な色。霞んだ風が耳を擽り名前を呼ばれて俺は見下ろす。可愛い可愛い俺の那月、誰からにも愛され美しくまるで高嶺の花のような大切で愛おしい存在の那月は俺を見ている。翡翠色の瞳が俺だけを見つめている、なんて、甘美な行為だろう。なつき、那月はどうしてそんなに可愛いんだ?那月は俺のことが好きなんだろう、俺はお前のすべてを知っている。だからお前の考えはすべてわかってしまうんだ、宝石のように美しい瞳からは純粋な雫が床に流れ落ちフランス人形のように可愛らしい那月は呼吸を止めている。ああ、那月ダメだ。呼吸を止めてしまうと死んでしまうだろうが、ちゃんと息を吸え。首に触れていた手を離せばクッキリついた痣、那月にとても似合っている。那月は犬に例えればゴールデンレトリバーだから首輪をつけていなきゃ誰かまわず尻尾を振って追い掛けてしまうだろ?だからこれは那月が俺から離れて行かないように飾られた首輪だ。

「那月、名前を呼んでくれ」

月夜に照らされた紫色に染められている唇に触れながら唇を合わせる。ああ、なんて今日は月が綺麗なんだ。