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雨が落ちる音が響く。
悠の部屋には膝を抱えてソファーに蹲るあずみの姿があった。

悠が窓の外を確認し、テレビの前へ立つ。時計を確認するとあの時間まで1分前だった。

「映らないで。映らないで。」

懇願するような声で呟きながらあずみもテレビの前へ立った。

カチッ。
時計の針が動く音がした。




「やっぱり、りーちゃんなんだね…。」


あずみが涙を堪えながら呟く声を背に、悠は電話を手に取った。








翌日、ジュネスのフードコート。


「久慈川りせに間違いないな。なんつっても顔映ったし。」

「じゃあ、これでまた1つ分かったね。犯人に狙われるのは…テレビで報道された人。」


「りーちゃん、今朝は店番してたよ。」

「じゃあ、あのバラエティみたいのが映るのは、やっぱ本人が入った後みたいだな。」


まるで予告のように映る不鮮明な映像。あれは実は犯人の心が映し出されているのではないか。そもそもあの世界とは。

いろいろな推理を話し合うが、そもそもこの現実とは言い難い不可解な現象を説明することなど誰にもできなかった。


「今、俺たちにできることをしよう。」

「だな。そうとなったらまたアレだな。」

陽介がニヤリと笑ってそう言う。
それにいち早く反応したのはあずみだった。

「アレ、ということはまさか!はなむー隊員!」

「おうよ、橘隊員!前回君が参加できなかったアレだ!」


「なんすかその反応。」

「完二くん、今は突っ込んじゃダメ。」

「……ぷっ、ふふふ。あずみ…喜びすぎ…完二くん冷静……あははははは!」

「あーほら、スイッチ入っちゃったじゃーん…。」











「今度こそアンパンと牛乳持って参加するんだー!!」




今日も皆、絶好調だな。

リーダーはそんなことを思いながら、そっと買い物リストにアンパンと牛乳を書き加えるのだった。



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