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翌日。

「えー、それでは稲羽市連続誘拐殺人事件、特別捜査会議を始めます。」


ジュネスのフードコート。
お決まりの席についた皆を見渡しながら陽介は言った。

「ながっ!」

「ん〜、なんか漢字ばっかだねぇ…。」

予想通りのリアクションを返すあずみと千枝。

それに比べて雪子は少しだけ声を弾ませて言った。

「あ、じゃあここは、特別捜査本部?」

「お〜、それそれ!天城、上手いこと言うな。」

「な、なんかかっこいぃ〜!」

ちょっとかっこいいその響きに皆の表情が緩む。でも、今はそんなことをしている場合ではなかった。

いち早く表情を引き締めたのは陽介だった。


「つーわけで、昨日の夜だけど…。」



そうして会議は始まった。






「つか、映ったあの男の子、どっかで見た気すんだよねー…。それも、つい最近…。」

会議も終盤に差し掛かった頃、そう漏らしたのは千枝だった。

「…そ、それだー!!!!!」

ガタンガタン!!

「どうした、橘!」

千枝の言葉に慌てて大きな反応を返したのは、あずみだった。
勢い良く立ち過ぎて椅子が吹っ飛び、机のペットボトルが揺れた。

「思い出したの!どっかで見たことあるって思ってたの!立ち姿とか、雰囲気とか!」

「あの、あずみさん?ちょ、ちょっと落ち着いて…」

「あれは、みーちゃんだよ!みーちゃん!ぜーったいみーちゃん!!」



「いや、誰だよ!!!!」




結局、あずみの言うみーちゃんなるものは誰かわからず、その場はそこでお開きとなったのだった。



「ん〜、なんで皆わかんないかなぁ。」

「…いや、うん。とりあえず今日のマヨナカテレビにかけるわ…。」




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