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「何か犯人に繋がるヒントでも見えればな…。」

「…うむ。」

頬を潰されたままあずみが答える。実は細やかな"放せアピール"だったりする。

「じゃ、今夜は忘れずにテレビチェック!オーライ?」

アピールが通じたらしく、千枝は言いながら陽介の手を叩いた。

「千枝〜!」

「よ〜しよし!あずみ大丈夫?」

「ん〜、はなむ〜のせいでほっぺに机の痕ついたー!」

「俺のせいかよ!」


賑やかに笑う五人。

でも、笑顔とは裏腹に心には不安という黒い雲がかげっていた。

それは明るく笑うあずみの心にも…。







その後、雨ということもあり皆、早々に帰宅することになった。


その日の夜、テレビには確かに男の影が写った。

ただ、例のようにぼんやりとしか写っておらず、男、そして恐らく同年代としか特徴を捉えることはできなかった。



ピッ、悠が陽介との電話を終える音が聞こえた。

「あずみ、明日ジュネスのフードコートに集合だってさ。…あずみ?」

「んあ?ああ、うん。ジュネスねー、ジュネース!」

何かを考え込んでいたようだが誤魔化すように笑うあずみに、悠はそれ以上尋ねることはできなかった。






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