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「まあ、問題児と言われていたが今はどこか高校に受かって通ってるはずなんだがな。」

堂島がそう言うと、あずみはにんまり笑って悠と同様にテレビへと視線を戻した。

その意味がわからず不思議そうに堂島は顔をしかめたが、あずみのことだからきっとたいした意味はないだろうと思い、気にしないことにした。

テレビには相も変わらず完二が映されており、もはや顔のモザイクなど意味がなかった。

「こいつ、実家が老舗の染物屋でな。確か、母親が夜寝られないから、とかで、毎晩走ってた族を一人で潰しちまったんだ。」

「…母親思いなの。」

「それは良いことだとは思うがな、暴れすぎなんだよ…。これじゃ、その母親が頭下げる事んなっちまう。」

「…む。」


まるで自分のことのように落ち込むあずみ。

それを見た堂島はまたもや不思議そうに首を傾げた。






次の日。

天気予報があたり、放課後には強い雨が降っていた。

「ん〜、天気予報あたっても嬉しくないー。」

あずみは机に突っ伏したまま顔だけを外に向け、頬を膨らませた。

それを横から現れた陽介が指でプーッとつついて頬の空気を抜き、雪子が頭を撫でる。

「今夜だな、例のテレビ。」

「何も見えないといいけど…」

あの一件以来、さりげなく甘やかされる回数が増えた気がする…。

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