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驚くことに大鎖鎌は組み立て式にもなっており、バラバラにしておけば持ち運びも便利だという優れものだった。
いやいや、こんなのアリかよ…。
少し暗くなりはじめた道をあずみと並んで帰った。
嬉しそうに包みを抱えてネコ耳フードを揺らすあずみ。
やっぱアリかもしれない…。
この子ならいろいろと有り得ないことも可能になってしまいそうだ。
不思議な子だな。
自然と人を惹きつけて笑顔を振りまく。
自分が周りにどれだけ愛されているのか知っているのだろうか。
鳴上家、もとい堂島家の明かりが見えてきた。
ノロノロと歩いていたせいか、すっかり遅くなってしまった。
きっと家先には彼女を待つあの相棒の姿があるのだろう。
「なぁ、橘。」
「ん〜?」
「これから頑張ろうな!」
「うん!」
辿り着いた家先には予想通り、彼の姿。
思わず笑うと、理由なんて分かってないくせにあずみも釣られて笑い出した。
頑張ろうな。
みんな。
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