page.2
帰り道、いつものようにネコ耳フードを揺らしながら、あずみはある店へ来ていた。
「お〜。ここが噂のだいだら!」
「橘には何が合うかな〜。」
仲間となったからにはテレビの中へ行くことになる。
その為には武器がいるということで、あずみは陽介と一緒にだいだらへ来ていた。
「ん〜、でもはなむ〜本当にいいの…?」
「いいって!初回限定サービスだっつーの!」
「ん!じゃあお言葉に甘える〜。…どれにしよっかなぁ。」
初回限定サービスという名の奢り。
今回、陽介と来たのは陽介が武器を買ってくれると言ったからだ。
仲間になったお祝いだ、と笑う彼はなんて太っ腹なのだろう。
裏話として、番長に無敵の笑みで「買ってあげてくれよ…な?」と言われて(脅されて)いたらしいが。
俺って、一体…。
財布を見つめながらトホホと落ち込んでいると、あずみが大きなものを抱えて小走りにやってきた。
「これにする!」
「お〜。これね、……ってこれ!?」
気に入ったの!
いやいや、気に入ったじゃねぇよ。
「大鎌って…。」
あずみが抱えていたのは、あずみの身の丈以上の大きい鎌だった。
「これね、ただの大きい鎌じゃないの!」
キラキラとした目でそう言うと、あずみは鎌の持ち手の一番下を引っ張った。
すると、そこが伸びて鎖が出てきた。
「大鎖鎌!!」
ね?凄いでしょ?
[ 38/61 ][*prev] [next#]