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次の日、すっかり回復したあずみは登校するなりみんなに心配したんだから!と揉みくちゃにされ、ボロボロになっていた。
「も…もう勘弁してっ…」
「嬉しいことじゃないか。みんなに愛されてるんだよ。」
「相棒、お前が言うなよ…」
未だに両側にくっついて離れない千枝と雪子は、にんまりと笑ってあずみの頬をつついた。
「ま、心配させた罰だと思いなよ。」
「これからは、みんな一緒だから何でも話してね。」
「ちえ…ゆきこ…」
二人の言葉に瞳を潤ませ、あずみはガバチョと二人を抱き返した。
「だ〜いすき!!」
キャー、と楽しそうに笑い合う姿はなんとも微笑ましいが、男組からしたら呆れものである。
なにせ、この行為をかれこれ五回は繰り返しているのだから。
だんだんとエスカレートしていくじゃれあいに、悠と陽介は思わず吹き出して笑った。
新たな仲間。
正直言うと、こんな危険なことに巻き込みたくはなかった。
けれどそう思う反面、嬉しく思う自分もいる。
危険とはわかっていても、やはりこのメンバーで一緒に笑いあっていたい。
このメンバーで乗り越えていきたい。
そして、その先に彼女の笑顔があったらいい。
ニコニコと嬉しそうに笑うあずみは、眩しく輝いているように見えた。
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