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「ど、どういうことだよクマ!意味わっかんねーよ!」
「く、クマだってちんぷんかんぷんクマ!たぶん、あの子は特殊なんだクマ!」
「特殊!?」
「あの子の心にいたっていうお姉さんがシャドウそのものになっちゃってるクマ!」
「…つまり、もう一人のあずみと一体化してるってことか。」
何を言っているのか、さっぱり分からない。
なるちゃんとはなむ〜は、クマとかいう子と会話を交わした後、さっきまでお姉ちゃんだった大型の九尾の狐へと向かっていった。
「イザナギ!」
「ジライヤ!」
二人は不思議なものを操りながら、狐へと攻撃をしていく。
時折狐は苦しそうにもがくが、すぐさま立ち直って強烈な一撃を放って来る。
二人はそれを必死に交わしながら、着実に弱らせていった。
「"ガル"!」
とどめと言わんばかりの攻撃に、狐はとうとうその体を地に伏せた。
その課程を黙って見ていることしかできなかったあずみは、やっとの思いでよろよろと立ち上がり狐の元へ歩み寄った。
一歩ずつ、一歩ずつ近寄るごとにその姿は自分と瓜二つの少女へと変わっていく。
「おねぇちゃん…。」
「う…、あずみ。」
「もういい、もういいよ!」
尚も立ち上がろうとするちとせをあずみが制止させる。
「…私は、ただあずみと、一緒にいたい、だけなのに…」
「他に方法はある。」
その一言にちとせは悠を鋭く睨み付けた。
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