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切なくて、切なくて、

どうしようもなかった。



「おねぇちゃ…。」

「あずみ、お願い…」



お姉ちゃんが、そんなことを思っていたなんて知らなかった。



二重人格となってしまったお姉ちゃんを、私は誰にも知られたくないとまで思っていたのに…。

お姉ちゃんは、こんなことを思っていたんだ…。





このまま、ここで二人で暮らしたら誰にも嫌われないのかな?


だったら、私…









すっと息を吐いて、あずみはちとせの金色の瞳を見つめ口を開いた。



「私…、お姉ちゃんとこのまま…」


「はい、そこまで。」


だが、あずみが言い終わる前にその言葉は別の声によって遮られた。

まさか、ここで聞くと思っていなかった声に驚き、あずみは恐る恐る振り返る。


そこには、灰色の柔らかい髪を揺らした彼が扉を開け放したままの格好で、そこに立っていた。


「な、なんで…なるちゃんが?」

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