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暗くなった空気を誤魔化すように一条が菜々子に語りかけていた。
そこから発展していく一条達の会話を横目に、悠は視線をテレビへと移した。
あずみが、いない…。
近所の人も、この数日間彼女を見ていないと言った。
つまり、あずみは家に帰っていない。
あの日から…。
やっぱりあの時感じた違和感は間違いじゃなかったのか?
あの日、俺がちゃんと戻っていたらこんなことにはならなかったのか?
彼女に今一体、何が起きているのだろう。
もしかしたら…?
いや、まさか…。
テレビを見つめながらそんなことを考えていると、ふとテレビとテレビの隙間に何かが落ちているのが見えた。
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