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「…一人ぼっち。」
「いいじゃない。その方が近寄って来ないんだし。気付かれたくないでしょ?」
「ん…。でもでも、」
「大丈夫。あずみには私がいるでしょ?」
「おね、ちゃ…。」
「あずみには私がいれば十分でしょ?違う?」
「……ん。」
「私がずーっと側にいてあげる。他の人たちはね、いつかあずみを置いて行っちゃうの。でもね、お姉ちゃんは絶対にあずみから離れたりしないから。」
「……うん。」
広い一軒家に響く小さな二人分の声。
ただおかしいことに、その場にある影は一つしかなかった。
私には、秘密があります。
誰にも話していない秘密があります。
ねぇ、もし秘密を話したら…
みんなはどう思うかな?
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