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放課後─…
またまた内緒の話があるらしく、あずみを除いた四人は屋上へと向かっていった。
もちろんあずみもついて行きたいとだだをこねてみたが、四人は困ったような笑みを浮かべるだけだった。
“巻き込みたくないんだ”
そう言って頭を撫でた鳴上の困った顔を見たら、あずみは引き下がる他なかった。
一人での下校。
そのとき、いつものように鮫川付近を歩いていると、つい最近会ったばかりの猫背のスーツが前を歩いていることに気付いた。
「ん〜、アダッチー発見伝!」
後ろから走り寄り、腕に絡み付けば足立は驚いた顔をしていた。
「うわ!びっくりした!なんだ、あずみちゃんかぁ。ていうか、発見伝って何?」
「ん〜、私が考えた!アダッチーなら使用許可してあげてもよいよ。」
「あはは!じゃあ、早速使わせてもらおっかな。」
にっこりと笑う足立にあずみは笑い返すと、ネコ耳フードを揺らしながら足立から離れた。
「あ、もしかして!まさか今日も家まで送れって?」
「んーん。きっとアダッチーは今からジュネスにお買い物と見た!だから、今日は見逃してあげるーよ。」
にんまりと笑うあずみに足立はまたもや驚いた顔をした。
「なんで分かったの!?」
「えっとね、今からジュネスのタイムサービスだから〜。あとは勘!」
「あはは!正解だよ。…おっと、タイムサービスは待ってくれないんだよね。じゃあ、気をつけて帰るんだよ。」
「ん〜、わかった!」
笑って手を振ったあずみは、くるりと身を翻して走って行った。
「キミはどんな風になるんだろうね。」
残された足立は無表情で呟き、その場を離れた。
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