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その知らせは午後から緊急に開かれた全校集会によって、全校生徒へと伝えられた。


《今日は皆さんに、悲しいお知らせがあります。3年3組の小西早紀さんが…亡くなりました。》


身近な人の死に誰もが衝撃を受けた。


集会が終わった後、全校生徒がぞろぞろと体育館から出て行く中、花村はじっとその場にたたずんでいた。


「ん、はなむ〜置いてくぞー?」

それに気づいたあずみがピョコピョコとネコ耳を揺らして歩み寄った。

「ん?あぁ…。」

あずみが目の前に立ってやっとあずみの存在に気付いたらしく、花村は少し驚いたように顔を上げた。

そんな様子をじっと見つめていたあずみは唐突に口を開いた。


「…はなむ〜。」

「…ん?」

「泣いていいよ。」

「ちょ、はぁ!?」

驚く花村を余所に、あずみは精一杯に背伸びをして自分より高い位置にある花村の頭を胸に引き寄せた。

「え、ちょ…えぇ!?」

「ん、ほらどーぞ。」

あずみが規則的に優しく背中を叩く。

「や、なんか意味わかんねぇんだけど。」

「ん〜、だから、誰も見てないから今泣けっつってんのー。こういうの溜め込んだっていいことないんだぞ〜!」

「橘、おまえ…」

「…吐き出さないと、壊れちゃうよ?」

「…っ…わり。」

「いひひ、優しいあずみちゃんがはなむ〜に胸貸してあげるーよ。」

いつものようなおどけた口調、けれど優しい声色であずみは言った。

そっと頭を撫でられると溜まった涙がこぼれ落ちた。

「…っ…はは、首がちょっといてぇけどな…ちょっと、借りるぜ…」

花村はあずみにすがりつくようにして、小さな声で泣いた。

花村が泣きやむまで、あずみは頭を撫で続けた。

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