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帰る途中、四人は事件現場へと遭遇してしまった。
この事件は死体までも出ているらしい。
「ん〜、千枝と雪子はジュネス寄らない方がいいかも?」
「うん、そうしよっかな。ね、雪子?」
「うん…。」
そうして二人とは別れ、あずみは鳴上へと視線を移した。
「なるちゃんちって堂島さんち?」
さっき堂島と出会ったとき、実は知り合いのような話し振りであずみは会話をしていたのだ。
「もしかして知り合いか?」
「ん〜、ちょっとね。それより堂島さんちなの?」
再度尋ねられた質問に鳴上はこくりと頷いた。
「じゃあ、私の家の近くだ!」
"ちょっとね。"
そう言ったあずみの顔がどこか悲しげだったのが気になったが、本人が言わないことを無理矢理聞こうとは思わなかった。
その後、二人は楽しげに会話(モロキンの愚痴など)をしながら家路についた。
今日一日話をして鳴上は気付いた。
あずみは天然のたらしであると…。
そしてもう一つ。
あずみは、少し変わっているということ。
きっとあの容姿と中身のギャップに皆やられるのだろう、と思った鳴上であった。
「なるちゃん、ばいば〜い!」
明日から学校が楽しくなりそうだ、と笑みを浮かべ、その日あずみと別れた。
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